誰でもなるテニス肘!日常生活での予防方法
みなさん、テニス肘という言葉をご存知でしょうか?
テニスラケットをバックハンドで持ってボールを打つ動作(右利きなら左側でボールを打つ動作)で肘の外側に痛みが出てしまうのがテニス肘なのですが、じつは・・・
テニスをやっていなくても
テニス肘にはなります!
似たような診断名に野球肘というものがありますが、こちらも野球をやっていなくてもなることがあります。
どちらもスポーツをしていなくても、繰り返しの家事動作や仕事の動作において誰にでも起こりうる症状なのです。
そこで今回は、このテニス肘を予防する方法についてお伝えしたいと思います。
私、テニスやってないから関係ないかな?
そんなことないよ!テニス肘は誰でもなる可能性があるよ。
そうなの!?テニス肘って予防できるのかな?
もちろん!今回はテニス肘の原因と予防方法についてだよ。
テニス肘とは
テニス肘は手首を手の甲側に反る力を入れたときに肘の外側に痛みを感じます。
テニスラケットをバックハンドで持ってボールを打つ動作を繰り返すことで発症しやすいため、テニス肘と呼ばれています。
しかし、実際にはテニス以外の繰り返す家事動作や仕事の動作が原因で痛みを出している患者さんが多く、整形外科でリハビリを受けています。
正式名称は上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)という診断名で、”上腕骨”(うでの骨)の”外側”の”上顆”(出っ張り)の”炎”(炎症)という意味があります。
2017年に厚生労働省が行った患者調査(傷病分類編)によると、テニス肘の患者さんは全国に約19,000人いると報告されており、誰であってもテニス肘になる可能性があるといえます。
テニス肘になってしまう原因
テニス肘の原因の多くは、肘の外側についている短橈側手根伸筋と総指伸筋という筋肉が無理に引っ張られたり、繰り返し使われてしまうことで、肘の外側に負担がかかり、炎症が起きてしまいます。
短橈側手根伸筋は手首を反る筋肉で、手首を手のひら側に曲げることで引っ張られてしまいます。
また、総指伸筋は指を伸ばして手首を反る筋肉で、指を曲げつつ手首を手のひら側に曲げることで引っ張られてしまいます。
例えば、洗濯する際に洗濯物を取り出したり、デスクワークでマウスを持ち上げたり、といった軽い動作であっても、物をつかんで手首を反る動作を繰り返すことで、肘の外側に負担がかかり、痛みが出てしまいます。
日常生活での予防方法
予防方法は主に2つです。
- 手首の使い方を変える
手首を反る動作によって短橈側手根伸筋や総指伸筋を多用することが肘の外側に負担をかけてしまうので、日常生活では手首を手のひら側に曲げる動作を使うようにしましょう。
具体的には、物を上からつかむのではなく、下からすくい上げるように手首を手のひら側に曲げるように使ってください。
そうすることで、肘の外側にかかる負担を極端に減らすことができるので、たとえテニス肘になっていたとしても、痛みなく物を持つことができます。
- 筋肉を柔らかくしておく
日常生活では、どうしても手首を反って使わなければならないこともあると思います。
そのような時のために、肘の外側に負担をかけてしまう短橈側手根伸筋と総指伸筋を柔らかくしておきます。
そうすることで、手首を反って使ったときであっても肘の外側にかかる負担を軽減することができます。
短橈側手根伸筋と総指伸筋のストレッチ方法についてはコチラをご覧ください。
ただし、すでに肘の外側に痛みが出てしまっている場合のストレッチは、痛みを強くしてしまう恐れがあるので、絶対にやらないでください。
肘に関わらず、ストレッチをするのは痛みがないときだけにしましょう。
まとめ
今回は、テニス肘を予防する2つの方法についてお伝えしました。
テニス肘は①手首の使い方を変えることと②筋肉を柔らかくしておくことで予防することができます。すでに肘の外側に痛みを感じてしまっていたら、ストレッチはやらないでください。
痛みが出てしまった場合には整形外科を受診し、リハビリやアイシング、エルボーバンド固定などを行い、ご自身では手首の使い方に注意して痛みがなくなるのを待ちましょう。
痛みがなくなった後には、ストレッチを再開して再発を予防しましょう。
テニス肘は誰でもなる可能性はあるけど予防できるのね!
マウスを使う時には手首を反らないように手首の下に高さを調節する物を入れておくといいよ。