MRIで見る①曲げ伸ばしでひざがねじれる!?

みなさんのひざは
正しく動いているでしょうか?

突然、”正しく”と言われても自分ではよく分かりませんよね。

痛みなくひざをしっかり伸ばせて、しっかり曲げることができていれば、正しく動かせています。

それでも心配な方は、準備体操でよく行うひざの屈伸運動が痛みなくできるかどうか確認してみてください。

痛みなく屈伸運動ができていれば、間違いなく正しく動かせています。

ところで、からだの中でひざはどのように動いているのでしょうか?どのような動きが正しい動きなのでしょうか?

そこで今回は、MRIを見て、ひざがどのように動いているのか確認していきたいと思います。

とりあえず、しゃがめればいいってことかな?

そうだね。からだの中でひざはどう動いているんだろうね?

たしかに、気になるところではあるわね。

それじゃあ、一緒にMRIを見てみよう!

目次

見るべきポイント

ひざ関節を形作っている太ももの骨は“大腿骨(だいたいこつ)”と呼ばれていて、下の方が丸みを帯びています。

それに対して、ひざ関節を形作っているすねの骨は“脛骨(けいこつ)”“腓骨(ひこつ)”と呼ばれています。

今回、MRIで見ていくのは大腿骨と脛骨の動きになります。

右のひざ関節

大腿骨と脛骨が向かい合うところには軟骨があり、ひざを曲げ伸ばしするときには必ず軟骨同士が当たるようになっています。

ここで注意して見てほしいのは、脛骨の軟骨部分の形が内側と外側で違うところです。

内側は凹面になっており、外側は後ろにいくに連れて低く傾斜しています。

内側と外側の形が違う!!

この形状により、ひざを曲げ伸ばしをするときには必ずひざにねじれが起きるのです。

このねじれが起きなくなってしまうと、ひざは正しく動かなくなってしまい、曲げ伸ばしがしっかりとできなくなったり、痛みが出てしまうことになります。

ひざのMRIを見てみる

では、からだの中でひざ関節がどのように動いているか、ひざを伸ばした状態と曲げた状態の2つのMRIを見てみたいと思います。

通常、ひざを曲げてMRIを撮ることはないので、じつは貴重な画像です。

約20分間ひざを曲げておかないと撮れないんだ。

まずは、ひざ関節の内側を見てみましょう。

曲げ伸ばししたひざ関節の内側のMRI

ひざを伸ばした状態では上の大腿骨の丸まりはしっかりと下の脛骨の凹面上に収まっています。

そして、ひざを曲げた状態でも大腿骨の丸まりは後ろへは動いていますが、脛骨の凹面上に収まっています。

それに対して、ひざ関節の外側を見てみましょう。

曲げ伸ばししたひざ関節の外側のMRI

ひざを伸ばした状態では上の大腿骨の丸まりはしっかりと下の脛骨の傾斜面上にあります。

しかし、ひざを曲げた状態では大腿骨の丸まりは後ろに大きく動いており、これ以上曲げてしまうと脛骨の傾斜面上から落ちてしまいそうです。

上の大腿骨が落ちそう!!

MRIを見ることで、ひざ関節の内側と外側の動き方が大きく違うことが分かります。

ひざを曲げ伸ばしするときに、内側も外側も同じ動きをしていれば蝶番のようにねじれることなくひざは動くのですが、内側に比べて外側では大腿骨の丸まりが後ろに大きく動いてしまうことで、ひざを曲げるときに大腿骨は外側に、脛骨は内側に回ってしまい、結果としてひざはねじれることになります。

右のひざ関節を曲げると・・・

ちなみに、ひざを伸ばすときは曲げるときとは反対で大腿骨は内側に、脛骨は外側に回ることになります。

このねじれが起きる動きがひざ関節の正しい動きです。

この動きが周りの靭帯や脂肪、筋肉などがカタくなってしまうことで制限されてしまうと、しっかりとした曲げ伸ばしができなくなり、痛みが出てしまうのです。

曲げ伸ばしがしにくくなったら

それでは、ひざ関節が正しく動かなくなってしまった場合にはどうすれば良いでしょうか?

思い浮かぶのは、筋トレとマッサージとストレッチです。

しかし、ひざ関節が正しく動かなくなってしまうのは周りがカタくなってしまうからなので、筋力を強くする必要はありません。

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生まれたての赤ちゃんの小さな筋力であっても、ひざを曲げ伸ばしすることはできます。

赤ちゃんはよくひざ曲げてるね。

マッサージとストレッチでも根本的な問題を解決するには少し足りません。

なぜなら、正しい動きを制限してしまっているのが必ずしも筋肉というわけではなく、靭帯や脂肪組織ということが多いからです。

基本的にストレッチやマッサージは筋肉に対して行うものですよね。

一度、屈伸運動ができなくなってしまうと自分で治すことは意外と難しいです。

もし、屈伸運動ができなくなってしまったり、痛みが出るようになってしまったときには、お近くの理学療法士に相談してみてください。

カタくなっている組織を見極めて、対処方法を教えてくれると思います。

まとめ

今回は、ひざ関節の正しい動きについて、ひざを伸ばしたMRIと曲げたMRIを見てみました。

脛骨の軟骨部分は内側と外側で形が異なっているため、ひざの曲げ伸ばしで内側と外側は違う動きをします。

その結果として、ひざ関節にねじれが起きます。しかし、これが正しいひざ関節の動きです。

ご自分のひざが正しく動いているかどうかを確認するためには屈伸体操ができるかどうか、その際に痛みがないかどうかを確認してみてください。

ひざの動きに気になるところが出てきた場合には、筋トレやマッサージ、ストレッチを行わずに、お近くの理学療法士に相談してみてください。

ねじれる動きがなくなると、しゃがめなくなっちゃうのね。

ねじれ過ぎってのも良くはないから、気になったら相談だね。

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