座るとき困ってませんか?鼡径部痛になりやすい特徴
ダイニングでイスに座るときやリビングでソファに座るとき、トイレで便座に座るときや浴室でイスに座るとき、屋外で電車のイスに座るときやベンチに座るとき・・・
座ったときに太ももの付け根に痛みを感じたことはありませんか?
いわゆる鼡径部痛というものですが、リハビリをしていると多くの方に同じ特徴があることに気が付きます。
そこで今回は、座るときに困る鼡径部痛になりやすい特徴についてお伝えしたいと思います。
座るときに太ももの付け根が痛む人っているよね。
ももの付け根と言えば鼡径部痛だね。
私は痛んだことないけど、痛みが出やすい特徴ってあるの?
あるある!鼡径部痛の大体の人は・・・。
- ひざを開いて座れないと筋肉が挟まってしまう
- あぐらをかけないと鼡径部痛になりやすい
- あぐらをかくためのストレッチ3選
鼡径部の痛みとは
太ももの付け根である鼡径部の痛みは鼡径部症候群(グロインペイン)と言われていて、サッカーをやっている人の発症が多いとされています。
私はサッカーやってないから関係・・・。
サッカーをやっていないから関係がないかと言うと、リハビリで来院されている患者さんの中にはサッカーをやったことがないにも関わらず、鼡径部に痛みを訴えている方が多くいらっしゃいます。
そんな誰にでもなる可能性のある鼡径部痛ですが、これから鼡径部症候群の定義をご紹介したいと思います。
紹介する前に言うのも何ですが、読み飛ばしてもらっても構いません。では行きます。
「股関節周辺に明らかな器質的疾患がなく、体幹から下肢の可動性・安定性・協調性に問題が生じた結果、骨盤周囲の機能不全に陥り運動時に鼡径部周辺に様々な痛みを起こす症候群」
!?
分かりやすい文章ではないですね。要約すると、
「これといった問題がないのに太ももの付け根が痛む状態」
です。つまり、必ずしも原因が特定できるものではなく、太ももの付け根が痛いという結果だけを指している疾患名になります。
では、どうして太ももの付け根に痛みが出てしまうのでしょうか?
鼡径部痛になりやすい特徴
日常生活において鼡径部痛が起きる多くの場合は座っているときです。
座ろうとすると太ももの付け根に痛みが走ったり、座っているとじわじわと太ももの付け根に痛みが出てきたりします。
座っているときには股関節を曲げているため、鼡径部にある筋肉などが圧迫されてしまいます。
そして、座るときや立ち上がるときにはなおさら股関節が曲がることになります。
次のイラストは右の股関節を前から見たイラストになります。鼠経靭帯と書かれた斜めに走っている靭帯部分が鼡径部と呼ばれるところです。
そして、その鼡径部には筋肉や血管、神経が走っています。
鼡径部にある筋肉は股関節を曲げることで太ももの骨と骨盤の骨とで挟まれてしまい、炎症を起こしてしまうことがあります。
一度炎症を起こしてしまうとしばらく鼡径部の痛みが続いてしまうことになりますが、また別の機会に筋肉を挟んでしまうようなことがあると、さらに痛みは強くなり、痛みが続くことになってしまいます。
ではなぜ、筋肉が骨で挟まれてしまうのでしょうか?
じつは挟まれてしまう人にはある特徴があります。それは、
“あぐらをかけない“
ことです。ひざを開いた状態で股関節を曲げる動きでは太ももの骨と骨盤の骨が当たってしまうことはありませんが、股関節をまっすぐ曲げる動きでは構造上の問題で太ももの骨と骨盤の骨が当たってしまう可能性があります。
そのため、あぐらがかけないほどに股関節の可動域に余裕がない方は、日常生活においても無意識のうちに股関節をまっすぐ曲げてしまっていることが多く、骨で筋肉を挟み込んでしまい鼡径部痛になりやすいのです。
それに対して、あぐらをかけるほどに股関節の可動域に余裕がある方は無意識のうちに骨で筋肉を挟まないように股関節を曲げることができています。
私、あぐらかけないよ!!
鼡径部痛にならないためのストレッチ
最近では性別関係なくあぐらをかける人は多いですが、やはり女性の方があぐらをかけない人が多い印象があります。
普段からあぐらをかく必要はありませんが、あぐらをかけるだけの可動域の余裕を作っておきましょう。
あぐらの制限となってしまう筋肉は主に以下の3つです。
太ももの内側の筋肉とおしりの筋肉です。
ストレッチ前にどれくらいあぐらをかけるのか確認し、その後にストレッチを行い、その後またあぐらをかいてみて、その効果を確認してみてください。
もし効果がないようでしたら、別の原因であぐらをかけない可能性がありますので、その場合にはお近くの理学療法士に相談してみてください。
まとめ
今回は、座るときに困る鼡径部痛になりやすい特徴についてお伝えしました。
すでに鼡径部痛があるという方は、ひざを開いてイスに座るようにしてみてください。
ひざを開いて楽になるようであれば、太ももの骨と骨盤の骨が筋肉を挟んでしまっている可能性があります。
そのような方は、今回ご紹介した3つの筋肉のストレッチを行ってみましょう。
ストレッチをしても痛みが続いてしまうようであれば、病院や整形外科クリニックを受診して理学療法士に相談してみてください。
あぐらをかけるようになるまで、ストレッチやってみるよ!
そうだね。なかなか足を開いて座るわけにもいかないもんね。