もう攣(つ)らない!こむら返りの予防法3選
「寝ていると足を攣っちゃうんだよ!」
「伸びをすると足が攣っちゃって・・・」
みなさんも疲れているときに足を攣ってしまうことはありませんか?足を攣るのは寒い冬というイメージがありますが、じつは暑い夏でも足は攣ってしまいます。
そこで今回は、なぜを足を攣ってしまうのか?どうすれば足の攣りを予防することができるのか?についてお伝えしたいと思います。
いっぱい歩いた日って足を攣っちゃうんだよね。
攣ったままになるとかなりツラいよね。
攣っちゃったらどうしたらいいのかな?
できれば攣らないように予防しておきたいね。
“こむら”=”ふくらはぎ”
“足を攣る”は”痛みの有る筋肉の痙攣(けいれん)”なので、医学的には”有痛性筋痙攣”と呼ばれますが、”こむら返り”という言葉の方がピンとくる方が多いと思います。
有痛性筋痙攣になると、力を入れていないにも関わらず筋肉に異常な収縮が続いてしまうため、痛みを伴うどうにもしがたいツラい状態に陥ってしまいます。
特に攣りやすいのは背伸びなどで急に力を入れたときで、水分不足や栄養不足、寒さによる冷えや暑さによる脱水などが原因とされています。
ちなみに、こむら返りの“こむら”とは”ふくらはぎ”のことなので、こむら返りで攣ってしまう筋肉のはふくらはぎを覆っている腓腹筋(ひふくきん)という筋肉です。
しかし、攣ってしまうのはふくらはぎに限ったことではありません。ウォーキングをした日に脛(すね)の横を攣ってしまったり、足の裏を攣ってしまったことはないでしょうか?
じつは、筋肉があるところであればどこであっても攣ってしまう可能性はあります。全身を攣ってしまうなんて想像するだけでも恐ろしいです。
では、なぜ筋肉は攣ってしまうのでしょうか?
攣ってしまう原因とは
筋肉の中を縦横無尽に張り巡らされている血管の中にはマグネシウムやカルシウム、カリウム、ナトリウムといったイオンが流れています。
イオンにはそれぞれの働きがあります。例えば、カルシウムには筋肉を収縮させる働きがあり、マグネシウムには筋肉を緩める働きがあります。
マグネシウムはこむら返りと関係が深いので、もう少しだけ深堀りしていきたいと思います。
私は難しいものは読みません!
筋肉が緩まるメカニズム
カラダを動かす筋肉は骨につながっているのですが、そのほとんどが骨につく手前で腱になります。
つまり、骨についているのは筋肉ではなく腱ということになります。
そして、筋肉の中には筋紡錘(きんぼうすい)、腱の中には腱紡錘(けんぼうすい)という引っ張られた刺激を感知するセンサーがあります。
筋紡錘は筋肉が伸ばされたときに次のように働きます。
「これ以上筋肉が伸ばされると筋肉が切れてしまう!筋肉が切れないように筋肉を縮めて、これ以上伸ばされないようにしろ!!」
このときにエネルギーとしてカルシウムが使われ、筋肉は収縮します。
それに対して、腱紡錘は腱が引っ張られたときに次のように働きます。
「これ以上腱が引っ張られてしまうと腱が切れてしまう!腱が切れないように腱につながっている筋肉を緩めて、腱にかかる負担を少なくするんだ!!」
このときのエネルギーとしてマグネシウムが使われ、筋肉は緩みます。
マグネシウムの量が適正な範囲に調節されていることで腱紡錘が正しく働き、筋肉を緩ませることができています。
リハビリではこの腱紡錘の反応を使って筋肉を緩めています。
暑いときに攣る原因:マグネシウム不足
何かしらの原因でマグネシウムが不足してしまうと筋肉を緩められなくなり、異常な収縮が続いて攣ってしまいます。
通常であれば、食事などで取り過ぎてしまった過剰なイオンは汗や尿から排泄されて、適正な範囲でイオンのバランスが調整されています。
しかし、夏の暑いときや運動をしたとき、そして寝ているときには多くの汗が流れてしまい、その汗と一緒に多くのマグネシウムが排出されてしまいます。
また、普段から甘いものを多く食べることもマグネシウムを排出してしまう原因になるので、心当たりのある方は甘いものを少し控えた方が良いかもしれません。
え!?甘いものもダメなの?
寒いときに攣る原因:筋肉のカタさ
こむら返りはふくらはぎの筋肉が攣ってしまうこととお伝えしましたが、筋肉を緩ませるマグネシウムをふくらはぎまで送り届けているのも筋肉です。
筋肉が収縮することによるポンプ作用によって血流が生まれ、その血流に乗ってマグネシウムが足の先まで送り届けられます。
しかし、寒いときや運動不足のとき、そして過剰なトレーニングの後に筋肉はカタくなってしまいます。
特に寝ているときには筋肉を使っていませんし、明け方には気温が下がることもあり、血流が悪くなりやすいです。
そのような状態となってしまうと、筋肉がカタくなる➡イオンのバランスが崩れる➡こむら返り、となってしまいます。
だから、寝ているときに足を攣りやすいのね。
そもそもの原因:水分不足
脱水によるマグネシウム不足や血流が悪くなる筋肉のカタさがあると、こむら返りが起きやすいのはお伝えした通りです。
これらはどちらもカラダの水分に関係する問題です。
そもそも、ふくらはぎにまで流れる水分自体が減ってしまうと、ふくらはぎに流れるイオンも不足してしまうので、こむら返りは起きやすくなります。
厚生労働省によると、成人が1日に必要とする水分量は2.5Lとされています。食べ物から摂取する水分やカラダで作られる水分を考慮しても、少なくとも1日に1.0~1.5Lは飲み物で水分を摂取する必要があります。
運動して汗をかく人はもっと水分を摂取しましょう!
こむら返りの予防法3選
では、足を攣らないためにはどうすれば良いのでしょうか?ここでは3つの予防法をお伝えしたいと思います。
特に重要!水分の摂取
まずは、簡単かつ重要な予防法からです。カラダに流れる水分量を適正に保ちます。
水分の摂取が必要なのは夏の暑いときだけではありません。特に①睡眠の前後、②運動前後とその間、③入浴前後には意識的に水分を摂取するようにしましょう。
カラダが一度に吸収できる水分はコップ一杯程度なので、一日の目安である1.0~1.5Lを数回に分けて摂取するように心がけましょう。
狙う!筋肉のストレッチ
こむら返りや脛(すね)の横や足の裏が攣ってしまうのを防ぐためには、筋肉のストレッチが効果的です。
足首周りにカタさを感じている方であれば、足の筋肉を柔らかくして血流を促しましょう。
ストレッチのやり方はこちらを参考にしてください。
過度に運動してしまった場合には、お湯につかってしっかりとマッサージした後にストレッチすると良いと思います。
根本!マグネシウムの摂取
最後の予防法です。マグネシウムを摂取しましょう。どうやって?と思いますよね。
日常的にマグネシウムを多く含んでいて、摂取しやすい食品は魚介類または海藻です。
※甲状腺などの既往で海藻などの摂取を止められている場合は医師と相談してください。
他にもひじきやきな粉、玄米ごはん、ほうれん草、バナナなどはマグネシウムが多いので、これらを意識して摂取するようにしましょう。
バナナなら食べやすいね!
まとめ
今回は、なぜを足を攣ってしまうのか?どうすれば足の攣りを予防することができるのか?お伝えしました。
こむら返りを予防するためには、足に流れる血流を増やしてしておく必要があります。そのためには水分とマグネシウムを適正な量摂取して、筋肉を柔らかくしておきましょう。
どうしても足を攣ってしまう場合には、こむら返りに効果的な漢方薬もあるので、医師に相談してみると良いと思います。
まずは意識してこまめに水分を摂るようにするわ。
そうだね。ストレッチを習慣にするも良さそうだね。