間違ってる!?片手杖と松葉杖の使い方
病院や街の中、そしてテレビドラマなどで杖を使っている人を見かけることってありますよね?
病院や街の中で歩いている人を見ていると、杖を正しく使えていない人は少なくありません。
熱中してドラマを観ていたら、杖を持つ手が逆になっていて、急に冷めてしまうこともあります。
松葉杖は病院で貸し出されることがほとんどですが、じつは使い方をしっかりと指導してくれる病院ばかりではありません。
病院の選び方や痛みが出たときに行く施設についてはこちらをご覧ください。
そこで今回は、みなさんが片手杖(一般的な杖)や松葉杖を使う日が来たときのために、そして周りで間違った杖の使い方をしている人を減らすために、杖の正しい使い方についてお伝えしたいと思います。
杖なんて、私まだまだ使う予定ないんだけど・・・。
そんなこと言って~、前に足の指を骨折したことあったよね。
わ、忘れてた!!
周りで杖を使っている人もいるし、いざというときのために覚えておくと良いと思うよ。
- 正しい杖の持ち方
- 足首がカタくなる原因は距骨が動けなくなるため
- 足首を柔らかくするための効果的なストレッチ方法
どこが間違っているでしょう?
突然ですが、このイラストをみてどこが間違っているか分かりますか?
男の子は右足をケガしてしょんぼりしていますね。
このイラストのように、年齢には関係なく子どもであっても松葉杖を使うことはあります。
また、対象となる症状は足の骨折だけではなく、捻挫やひざの痛みであっても松葉杖を使うことがあります。つまり、
いつ誰が杖を使うことになるかは分からない!
と、いうことです。実際に病院では6歳の男の子に松葉杖の使い方を指導をしたこともあります。
さて、間違いは見つかったでしょうか?それでは答え合わせをしていきたいと思います。
杖の持ち方の答え合わせ
間違いは3つあります。
特に一つ目の間違いは、絶対に間違ってはいけない間違いにも関わらず、街の中でよく見かける間違いです。
間違い①:杖を持つ手が逆
一つ目の間違いは「松葉杖を持っている手が逆」です。
え!これって逆なの!?右足のケガだから右手で持つんじゃないの??
これは本当に多い間違いです。歩くときには右手を前に出すのに合わせて左足を前に出しますよね。
これを右手と右足を同時に前に出していたらバランスを崩してしまいますし、周りから見ていてもおかしいですよね。
園児が右手と右足を同時に前に出して行進するのは微笑ましいのですが・・・。
それではこれを踏まえて、イラストの男の子が左足を出す時を考えてみましょう。
左足を前に出すのに合わせて、右手に持った松葉杖を出します。
あれ?ケガをした右足だけで立っている瞬間がありませんでしたか?
松葉杖はケガをした右足にかかる体重を極力減らすために使用するものにも関わらず、歩いている間に右足だけで立ってしまう瞬間があるのはおかしいです。
ん?まだよくわかんないんだけど・・・
それでは次に、ケガをした右足と左手を前に出してみましょう。
しっかりと右足一本に体重がかかります。これでは松葉杖の意味が全くありません。
実際にはこのように松葉杖を使用している方が多いです。
いまだにドラマや再現VTRなどでは松葉杖を逆に持っていることがあるので、みなさんもチェックしてみると面白いと思います。
また、右足を守るために左手に杖を持つというのは、片手杖でも一緒です。
右ひざに痛みがあるときには左手に、左ひざに痛みがあるときは右手に杖を持ち、足を接地するのに合わせて杖をついてください。
そうすることで足にかかる体重の一部を杖に逃がすことができます。
間違い②:杖が脇に当たっている
二つ目の間違いは「杖が脇に当たっている」です。
手だけで持ってたら腕が疲れちゃうから、脇に体重をかけて使うんじゃないの?
たとえ疲れていても、脇に松葉杖を当てて体重をかけてはいけません。
なぜなら脇には手先に向かう神経があるからです。
松葉杖を使っていて、手がしびれてきたら黄色信号です。脇の神経を松葉杖で圧迫してしまっています。
目安としては、松葉杖と脇との間に指2~3本が入るように空けておくのが理想です。
松葉杖自体の高さを調節して、手がしびれないようにしましょう。
間違い③:肘が曲がっている
三つ目の間違いは「肘が曲がっている」です。
たしかに肘が曲がってる・・・。
肘が曲がってしまっている原因は松葉杖の持ち手が高いことにあります。
間違い②で松葉杖自体の高さを調節した後には、持ち手の高さを調節しましょう。
持ち手の高さの目安は、肘をピンと伸ばして手首を返した状態でしっかりと体重がかかる高さです。
肘が曲がった状態で体重をかけてしまうと常に筋肉を使った状態になってしまうので、すぐに疲れて筋肉痛になってしまいます。
肘をピンと伸ばした状態で体重をかければあまり筋肉を使わなくて良いので、すぐに疲れるということはなく長い時間松葉杖を使うことができます。
松葉杖の正しい持ち方は?
いかがだったでしょうか?3つの間違い内、1つは見つかりましたか?
もう一つ間違いを挙げるとすると、松葉杖でサンダルはやめた方が良いと思います。サンダルでつまずいたり、滑ってしまったら、ケガした足で踏みとどまることができません。
松葉杖を使用するときには、
- ケガした足とは反対の手に松葉杖を持つ
→これは片手杖でも一緒です。守りたい足と反対の手に杖を持ちましょう。 - 松葉杖を脇に当たらないように松葉杖自体の高さを調整する
→松葉杖が脇に当たり体重がかかってしまうと、手に向かう神経を圧迫してしまいます。手にしびれが出たら黄色信号です。 - 手首を返して、ピンと肘が伸ばせるように持ち手の高さを調整する
→肘が曲がっていると筋肉がすぐに疲れてしまい、筋肉痛になってしまいます。
松葉杖の持ち方についての分かりやすいイラストがあったので引用させてもらいます。
まとめ
今回は、みなさんが片手杖や松葉杖を使う日が来たときのために、そして周りで間違った杖の使い方をしている人を減らすために、杖の正しい使い方についてお伝えしました。
はじめにもお伝えしましたが、片手杖を購入したときや松葉杖を貸し出されれたときに、使い方を必ず教えてもらえるとは限りません。
使い方に迷ったときには、ここでご紹介したよくある間違い3つを思い出してください。
まずは、みなさんの周りで杖を使っている方が間違った使い方をしていないか、テレビで間違った使い方をしていないか見てみると良いと思います。
さっき観てたドラマでも杖が逆だったの・・・。
なんだか興奮が冷めちゃった・・・。
そういうこともあるから、ドラマではしっかりと医療監修を入れてほしいね。