肩こりに効くのは筋トレ?ストレッチ??
筋肉の血流が悪くなって起こる肩こり。みなさんはどのように対処していますか?
すぐにマッサージに行ってしまいますか?スポーツジムで運動しますか?それとも入浴??
今回は運動の中でも筋力トレーニング(以下、筋トレ)とストレッチに焦点を当てて、どちらが肩こりに対して効果的なのか、それぞれのメリットとデメリットを確認しながら考えていきたいと思います。
最近、忙しくて肩こりが酷くなっちゃったんだけど・・・。
それは大変だね。肩こりになったときはいつもどうしてるの?
いつもは肩甲骨を回すようにしてるんだけど・・・これって効果ある?
効果あると思うよ!じつは肩甲骨を回す運動はストレッチに分類されるんだ。
- 軽い筋トレは肩こりを改善させ、筋トレのやり過ぎは肩こりの原因となる
- 一般的なストレッチは静的ストレッチのことを指している
- 肩こりには身体を大きく動かして筋肉の収縮と弛緩を行う動的ストレッチが効果的である
肩こりの原因
肩こりの原因となりやすい筋肉は、僧帽筋と肩甲挙筋と言われています。
どちらも首から肩甲骨についている筋肉です。
そのため、首と肩甲骨との距離が遠くなってしまうと筋肉が伸ばされてしまい、筋肉の中の血管が狭くなって血流が悪くなり、その結果として肩こりになってしまいます。
成人の頭と片腕の重さはそれぞれ約5~6kgあるため、頭と腕につながっている首と肩甲骨は常にその影響を受けてしまっています。
また、筋肉を使っている状態では筋肉の中の血管は圧迫されてしまうので、血流が悪くなってしまいます。そのため、寒さなどで肩をすくめたりしていると肩こりになってしまうのです。
つまり、筋肉は伸ばされていても、使われていても筋肉の血流が悪くなってしまい、肩まわりにおいてはそれが肩こりの原因となってしまいます。
そこで今回は、このような原因で起きてしまう肩こりの改善には筋トレが効果的なのか?それともストレッチが効果的なのか?確認していきたいと思います。
筋トレのメリット・デメリット
一般的に言われている筋トレのメリットは・・・
- 基礎代謝の向上
基礎代謝は筋肉の量に比例するため、筋肉量が多いと1日で使われるカロリーも多くなり太りにくく痩せやすい体を作れます。 - アンチエイジング
筋トレで損傷した筋肉を修復するために成長ホルモンが分泌され、脳の疲労回復や免疫力向上につながります。 - ストレス解消
筋トレにより副交感神経が優位になり、トリプトファンというリラックス物質によりストレスが軽減されます。 - 睡眠の質の向上
筋トレによりアデノシンという睡眠物質が分泌されたり、深い睡眠であるノンレム睡眠の割合が増加するため、睡眠の質が高まります。 - 免疫力の向上
筋トレにより白血球やリンパ球といった免疫細胞が増加し、異物除去に働くサイトカインというたんぱく質も増加します。 - コリ・むくみ・冷え性の改善
筋トレにより血流がよくなるため、むくみや冷え性が改善し、疲労物質も溜まりにくくなりコリも改善します。
コリ・むくみ・冷え性に良いなら、筋トレが肩こりに効果的なのね!
筋トレのデメリットは・・・
- 筋肉痛
筋トレのやりすぎによって筋肉が傷つくことで、炎症が起こり痛みを引き起こします。 - 関節の硬化
筋トレのやりすぎによって関節に刺激が加わることで、関節周りの筋肉がカタくなります。
もしかして、筋トレってやり過ぎると肩こりになるの!?
メリットとデメリットを確認してみると、筋トレは軽く行う分には肩こりを改善してくれますが、筋肉痛になるまでやってしまうと肩こりを起こしてしまうことが分かります。
ストレッチのメリット・デメリット
一般的に言われているストレッチのメリットは・・・
- 筋肉の柔軟性を高める
ストレッチで筋肉の柔軟性が高まると関節の可動域が広がり、血流が促進されます。 - 障害を予防する
運動前後でのストレッチは準備・整理運動となり障害を予防することができます。
コチラではストレッチの方法をお伝えしています。
ストレッチのデメリットは・・・の前にストレッチの種類について確認したいと思います。ストレッチは静的なものと動的なものに分けて考えられています。
- 静的ストレッチ
反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチです。深呼吸しながら行うことで副交感神経の働きによりリラックス効果も得られます。
運動後のクールダウンに効果的です。 - 動的ストレッチ
身体を大きく動かして筋肉の収縮と弛緩を行うストレッチです。繰り返し行うことで血流を促進し、体温を上昇させます。
運動前のウォーミングアップに効果的です。
いつもやってるストレッチは静的ストレッチってことなのかな?
そうだね!動的ストレッチの分かりやすいものといえばラジオ体操だよ。
ラジオ体操ってストレッチだったのね!
ストレッチのデメリットとして、よく挙げられているのは静的ストレッチのデメリットです。
- パフォーマンスが下がる
副交感神経が優位になるため、運動前に行うとパフォーマンスを低下させてしまいます。
メリットとデメリットを確認してみると、肩こりに対しては動的ストレッチが効果的ということが分かります。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はあまり結びつけることのない肩こりと筋トレ、そしてストレッチに焦点を当て、肩こりに効果的な運動は筋トレなのかストレッチなのか確認しました。
筋トレとストレッチの強度の関係は大まかには次のように考えられるのではないでしょうか?
この中で肩こりに効果的なのは、動的ストレッチであり、筋肉痛にならない程度の軽い筋トレでした。
筋肉は使うことで血流が良くなります。血流が良くなれば肩こりは改善します。
肩こりに対しておススメする運動は次の通りです。
- 動的ストレッチで筋肉の血流を良くすることで柔軟性を改善
- 静的ストレッチで筋肉自体の伸張性を改善
- 最後に動的ストレッチで血流とパフォーマンスを向上
具体的な運動については次回のコラムでご紹介したいと思います。
肩こりに効果的なのは動的ストレッチなのね。
筋肉痛にならない程度の運動が肩こりに効果的ってことだね!